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執筆者の写真yasaka

発達障がいと受験

 秋も深まり、受験生のお子さまのいらっしゃるご家庭では段々と不安も高まっているのではないでしょうか。

最近、特別支援教育士の研修会で兵庫県の先生から聞いたお話では、兵庫県では公立高校にも通級が設置され、受験時に発達障害を持つ生徒には別室受験を許可するなど合理的配慮が当然のこととしてされているとのことでした。やはり大阪や兵庫などは特別支援の先進地域です。

 公立高校で教員として働いていた立場で考えると、高校が最も特別支援教育への意識は遅れていると思います。しかし中学校で働いた時に、高校の方が多様な先生や生徒がいて許容範囲が広く、「皆同じでなければ」という意識は薄く、いい意味で枠が緩くて過ごしやすいと感じました。発達障がいを持つ子どもにとって、中学時代が最もしんどい時期だろうと思います。ですから、どうにか受験を乗り越えて高校に進学してほしいと思います。

 中学校で働いた時、受験直前に生徒たちと面接の練習をしていました。その時、発達障がいの傾向がある生徒に志望理由を尋ねると、特徴的な答えが返ってきます。例えば、「家から近いから選びました。」「僕にちょうどいいくらいの学力の学校なので。」のようなものです・・・。自分で考え直すように言ってもそもそも難しいことなので、保護者や担任が手を入れてあげるべきなのにと気の毒に感じます。教室への入り方から歩き方、座り方、お辞儀の仕方など細かに教えないと、自分がどう映るのかもわかりません。学力も大切ですが、コミュニケーション力の乏しさこそが取り組むべき課題です。

 中学校で特別支援学級に在籍していると、いわゆる通知表で数値による評定はなされず、記述のみで評価が出されます。公立高校の受験では、選択肢がかなり限定的になるでしょう。子ども本人は「現在」軸でしか物事を捉えていないので、やはり保護者が将来的なものも見据えて、小学校低学年の頃から早めに方向性を決めておくことが大切です。

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