先日「英語の読み書き学習を変えるジョリーフォニックス講座」に参加してきました。イギリス在住の山下桂世子先生が直々に講座を開いてくださると知り、こんなチャンスは滅多にないと楽しみにしていました。
ジョリーフォニックス はLDのお子さんにとても有効なものです。日本の英語教育では音と文字の結びつきにはフォーカスせず、いきなり英単語を丸暗記しなさいという乱暴なやり方で教えていきます。しかしジョリーフォニックス では音と綴りの結びつきを明示して、一文字一音を徹底的に指導します。だから初めて見る単語でも自分で読めるようになり、聞いた単語が書けるようになります。しかも視覚、聴覚、触覚や運動感覚など多感覚を使って学べるので、どの感覚を得意とする子にも有効的なのです。
ジョリーフォニックス は、イギリスのある学校の先生が1970年代に考案されたメソッドです。現在イギリスの小学校ではこのジョリーフォニックス が指導されています。山下先生はイギリスの小学校で勤務されており、特別支援チームのリーダーとしてもご活躍されています。ジョリーフォニックス の公式トレーナーでもあり、日本でも今回のようにセミナーを開いたり、公立小学校で指導をされています。
日本では英語で特別支援教育に詳しい方は本当に稀です。学校現場には全くと言っていいほどいません。思いや知識を共有できる人はおらず、ネットなどで調べていくうちに、また日本LD学会で発表もされているので、山下先生にたどり着いた次第です。
日本では2020年度から小学校で教科化されることからも、お忙しくされているようです。私は是非日本全国の小学校でこのジョリーフォニックス を指導して欲しいと強く願っています。LDの子どもだけでなく、どんな子どもでも体系的に楽しく学べるのです。そして、子どもを混乱させるだけの悪習「ローマ字」指導をなくしてほしい。
今回のワークショップでは改めてジョリーフォニックス の素晴らしさを実感することができました。様々な支援教材も紹介していただきました。また、私の学習スタイルは圧倒的に「視覚」スタイルだと実感しました。自分自身わかっていたことですが、私は英単語はもちろん漢字も一度形を見るとそれで覚えられます。音声を頭の中で文字にして思い浮かべる方が定着します。何かを思い出すときは画像で思い出すことが多いです。思考するときは文字で考える方が整理しやすくなります(だから文章も長くなりがち・・・)。ですから、何回書いても覚えられない子どもは自分と認知のスタイルが違うのだと理解し、「なんでできないの?!」とは思わないでその子の認知を想像して異なったアプローチを心がけるようにしています。
例えば山下先生のこの教材。単語と絵のマッチングをさせるものですが、線を引かせるのではなく、紐で触覚を使わせています。手先が不器用な子どもの訓練にもなっています。とってもいいです!
視覚が過敏な子ども、アーレンシンドローム ような子どもには、カラーフィルムを使って文字を読ませる。やっぱりイギリスは進んでるな〜。いいな〜。
久しぶりに英語の一斉指導をしたい!!と強く思わせていただきました。いろんな生徒がいる中で、それぞれの子の認知に合わせた誰もが達成感や知的好奇心の持てる楽しい授業をする、それこそやっぱり教員の醍醐味だー!と。というわけで、来年度とある学校で教員としてリスタートさせていただくことになりました。スケジュール調整でご迷惑をおかけしますがよろしくお願いいたします。
Comments