英単語を覚えるのは大変です。特に学習障害やADHDの子どもは、書き写すだけでなかなか覚えられません。だからと言って、皆が同じ原因でつまずいているわけではありません。
ADHDの子どもは不注意や思い込みから錯読が多く、集中の持続も難しいです。また、私の指導経験上、継次処理(情報を順序に沿って処理すること)が苦手なことも多く、文字を一つずつ頭からしっかり見て正確に覚えていくことが苦手で、なんとなくフワッと単語全体を視覚的なイメージで覚えていることが多い気がします。それではもちろんテストで良い結果が出るわけがありません。しかし、改善のしようがないかというとそういうわけではなく、ADHDのみ抱えている生徒を指導して、4ヶ月でTOEICスコアを200以上伸ばしたことがあります。
学習障害の子どもは、音と文字が結びつかないという話は以前にもしました。ですから英単語の読み方も定着しない、読めてもスペルを想起できない、ということになります。そういった子どもは無意味な丸暗記に頼り、すぐに限界が訪れることになります。以前、アメリカ国籍の子どもで読む方は全く問題がないのに、書く方ができないという子どもを指導しことがあります。ネイティブですが、musicすら想起して書けません。そんな子どもにビジョントレーニングをしても全く意味はありません。文字の形態はきちんと捉えているわけですから。その子は漢字の方がむしろ覚えやすかったようです。なぜなら漢字は表意文字で形に意味があります。それに比べてアルファベットには意味はなくただの記号であり、一文字に対して発音は多様、文字の組み合わせも多様です。とても覚えにくい言語です。ですから英語圏の方が圧倒的に学習障害の割合は高いのです。学習障害の子どもに英語を指導する場合、特別なアプローチが必要になります。最終的には合理的配慮をしていくことが大切でしょう。
先日、書店でふと面白い英単語の本を見つけました。「イラスト記憶法で脳に刷り込む英単語1880」という本です。一つ一つの英単語にイラストとストーリーをつけ、視覚的なイメージで覚えさせようとするものです。しかも単語の発音も語呂合わせになっているストーリーです。単語のつづりを覚えるのに、意味づけをしながら覚えるのは誰にでも有効な記憶術だと思います。
janitor[ジャニター]「用務員」という単語を覚えるのに、私も偶然この語呂合わせで覚えていたので、私と同じようなことしている人がいるんだ〜とビックリしました。TOEIC対応なので、受験を考えている人にはお勧めします。
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